優しく上品なぼかしと大きな前立の兜。

黒の正絹生地には高級感があり、落ち着いた色味のぼかしは品格を感じさせます。
「兜」には、かつて戦国時代に武将が様々なデザインの前立をつけて自分の存在をアピールしたように、大きく立派な前立がついています。
勇ましい武将になることは、当時の武家に生まれた男の子が求められていることでした。
その象徴であった兜は、頭から降りかかる災いから身を守る魔除けの意味もあり、現代でも男の子健やかな成長を祈る文様として大切にされています。
さらに武家の男の子を思わせるのは、「矢」や「軍配」です。
破魔矢として魔除けの意味もある「矢」は、的を射ることから目標を達成し飛躍するという意味があり、「軍配」は勝敗を決め、厄を振り払うという意味があります。
「兜」の下には昔話でおなじみの「打出の小槌」。
どんな願いも叶える小槌として、幸せな人生をもたらす宝物のひとつとされています。
「松」や「竹」は古くからおめでたい文様として大切にされてきた吉祥文様です。
どちらも1年中緑を絶やさないことから、繁栄を意味しています。古風な中にかっこよさが描かれた産着です。

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